ボランティア運営
関前サッカークラブは、ボランティアによる運営を基本としています。コーチ、マネージャや世話役、会計係などクラブの役員はみなボランティア=無報酬です。
東京あるいは日本の少年サッカークラブは、プロフェッショナルとボランタリの二種類に分類されます。
プロフェッショナルとは、企業などが母体となり、専属のコーチが指導する形態を取ります。
一方、ボランタリは、小学校や幼稚園などを核としながらも、有志によるボランティア活動を基本としています。
これら二種類のどちらが良いか悪いかという問題ではなく、
子供あるいは保護者の方にとって、どちらがより適しているか/向いているかを選択の基準とすべきだと考えます。

プロフェッショナルでもボランタリでも、入団を希望する子供&保護者に対して、多少の条件があったとしても、「来る者は拒まず」原則で迎え入れるものだと思います。
大きな違いは、プロフェッショナルクラブは「経営が成り立つために一定数以上の会員を必要とする」ことに対して、
ボランタリでは「会員が多いことは喜ばしいが、少ないから成り立たないことはない」という点にあると考えます。
多くの会員を集めるためには「強いチームである」ことが一つの条件になります。
強いチームであると同時に多数を抱えるチームであるためには、選抜せざるを得ないということに必然的になります。
これがプロフェッショナルクラブの最大の特長になっていると思います。
多くのプロフェッショナルクラブは、「チーム」と呼ぶ選抜メンバーのグループと「スクール」と呼ぶその他のメンバーのグループに分けて(例えば中学年/高学年から)、
活動内容を分けています。重ねて申し上げますが、このことは良い/悪いという論点とは全く違います。

ボランタリクラブの場合は、チームの構成は、それぞれのクラブによってその考え方が反映されることが多くあります。
関前サッカークラブでは、チーム構成は学年をベースとしていますが、
練習では一人一人の子供たちの習熟度やレベルに応じて、柔軟かつ臨機応変にグループ分けをしています。
このことについては、「保護者のページ」や「指導者のページ」に詳しく述べました。
さて、ここまではクラブの種類や特長について述べてきましたが、ここからは保護者の方が担うボランティア活動について簡単にその主旨を申し上げたいと思います。
関前サッカークラブは入団を希望する子供たちに対して、「来る者は拒まず」原則で臨みますが、保護者の方に対して一つの大原則があります。
それは「ボランティア活動に参加していただく」というものです。
当クラブは、コーチと保護者のボランティア活動で成り立っております。
必要経費だけは会費として頂戴しますが、無報酬で働くコーチと保護者の仲間に、あなたにも加わっていただきたいという考えです。
ですからもし、「ウチはお父さんは無関心だし、アタシにはそんな暇はない」とおっしゃるのであれば、当クラブではなく、他の選択肢を探していただくことになります。
このことも良い/悪いではなく、クラブとしての方針が保護者の考えに合致するかどうかでご判断いただきたいと思います。

さて、ボランティアって何でしょう。
さきほどから「無報酬」という表現を何回も使いましたが、本当に無報酬なのでしょうか。私たちは「無報酬である」とは考えていません。
「報酬とは金銭だけではない」と考えています。
もしあなたが、ボランティアとは「タダ働き」「物好き」「暇人の暇つぶし」「好きでやってるだけ」という考えであるならば、
当クラブに入る前あるいは入ったら少しだけ考え直していただくことになるものと思います。
余談ですが、ここに二つの仕事があり、そのうち一つを選ぶとした場合、給料の多寡だけでは人は職業を決めないものです。
もちろん同じ仕事なら給料は高い方がよいに決まっていますが。
条件が同じであっても給料が安い方を選択することがあるはずですが、それこそ金銭以外の報酬の存在を示す証明となるものです。
「やりがい」「人間関係」「教育」「雰囲気」など、言葉で表現しようとすると陳腐になってしまう恐れがありますが、確かに金銭以外の報酬ってあるものです。
もしあなたが、関前のグラウンド当番や試合のつきそいの仕事や連絡の仕事を担当していて、
「何でアタシがこんなことやらなきゃいけないのよ」「他に物好きがいるんだから。。。」などと感じたらあなたには関前でボランティアをやることはできません。

ちょっと観点が変わりますが、子供の教育って誰が行うものでしょうか。
もちろん親/保護者が第一の任を受け持ち、同時に責任も負います。次に学校教育があり、先生や学校が教育の責任を負います。
そして第三に、地域や社会が子供達の教育を担うものではないでしょうか。
持論になってしまうかもしれませんが、「自分の子供だけを教育して、その友達を含めて他の子供は一切教育しない」ということは、私は不可能だと考えます。
個々の子供達をその親が個々に教育することは第一に重要ですが、親たちが共同で子供達みんなを教育することが可能であり、
それこそが地域や社会による教育だと思います。
自分の親だけに教育された子供、親の顔色だけを評価基準にしてしまった子供は、
社会に役立つ大人に育つことが困難ですし、私は「親になれない/なっていけない」子供だと考えます。

話が少しそれてしまったかも知れません。
ここでの論点をおさらいします。
1)関前は保護者とコーチのボランティアで成立しているクラブである
2)ボランティア活動に参加できる保護者であるということが関前入団の原則である
3)ボランティアとは金銭以外の報酬を持つ仕事であり「タダ働き」ではない
「ボランティアにしかない喜びや楽しさがある」ことを最後に付け加えたいと思います。
文責 : 佐藤治夫(コーチ)
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